音声を聞きながら、文字通り影のようについて発声していく練習です。最近では同時通訳の訓練以外にも語学力向上のために取り入れられているのでご存じの方も多いと思います。「聞く」、「理解する」、「口に出す」を同時にやるのでリスニング力、瞬発力、発音の強化に効果的です。集中力が必要なので、長くやる必要はありませんが、継続して続けることが大切です。難易度を上げるには2〜3秒遅れてシャドーイングをします。そうすると聴いたものを保持し、口に出し、なおかつ耳に入ってくるものを理解しなければならないので、脳をフル回転しなければならず大変ですが、とても効果があります。
1センテンスを聞いて、それを繰り返します。慣れてきたら、2センテンス、3センテンスと増やしていきます。集中力と記憶保持を強化する練習になります。通訳に必要な短期記憶力は、単なる機械的丸暗記とは全く別物です。人は理解したことしか覚えていられませんので、当たり前ですが、理解力も強化されます。単語単位で聴いて覚えようとせずに意味を理解して覚えるように心がけましょう。
原稿を読んで前から訳出していく練習です。意味のかたまりでスラッシュをいれ、頭からどんどん訳していきます。英語と日本語は語順が違うので、同時通訳の際に先を待ち過ぎると間に合わなくなってしまいます。そのため、英語の語順に沿って、前からなるべく自然な日本語になるように訳していく練習です。 原文の字面にとらわれないことが肝心です。前から理解していくことは通訳者にとってとても大切なことです。意味の塊をつかんで自然な訳が出せるように練習しましょう。
聞いた単語の訳を瞬時に口に出す練習法です。当たり前ですが、通訳はたくさん語彙をもっていなければならず、かつ、それを知っているレベルではなく、いつでも使えるようにしておかなければいけないので、クイック・レスポンスで練習をします。この訓練法で瞬発力と記憶力を鍛えます。音声を自分で録音したものや、出る単やキクタンなどの市販のものを使ってもいいです。新しい単語や熟語を覚えるためにも有効ですが、知っているつもりでも瞬間的に口に出てこない言葉もたくさんあるものなので、読んで聴いて知っているつもりのものもリストに入れて練習してみましょう。音声を使ってやるのが一番効果的ですが、そういうものがない場合には、単語などのリストを見ながらやっても大丈夫です。その際は、自分に厳しく時間を計るなどして、瞬時に出ずに考えるような単語はしるしをつけて飛ばしていきます。このページには参考のリストがありますので、一緒に練習をしてみましょう。
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まとまった長さの音声聴いて理解し、自分の語彙と表現力を用いて、口頭で再現する訓練法です。リテンションと似ていますが、丸暗記ではなく、自分の語彙と表現力で、というところが重要です。簡単にいえば、「言い換え」の練習です。1つの文から、何通りもの言い方ができるように練習します。音声だけでなく、原稿を使っても練習できますが、音声を使用すれば、リスニング力、理解力、情報処理能力、記憶力、語彙、表現力など多くの能力を強化させるのに役立つ訓練法です。難しい文章を使う必要はないので、簡単なものから、練習をはじめてみましょう。このページでは例文を挙げて説明しています。一緒にやってみましょう。
私を含め、多くの人が難しさを痛感しているように思います。(通訳学校でのクラスメートもみんなそう言っていたので)メモを取ろうとすると、単語単位で聴こうとしてしまい、「木を見て森を見ず」の状態になってしまいます。ノートテイキングにばかりに夢中になってはいけない、と思ってまったく書かずに集中して聞こうとすると、今度は森は見えても木が見えなくなったり・・(数字などは書かないとやっぱり忘れてしまいます)なので、効果的なノートテイキングができるようになるためには、基本的なリスニング力、理解力を高めると同時に、実際にノートテイキングの練習もしなければいけないと思います。私の通っていた通訳学校の先生曰く、ノートは記憶を助けるためのものなので、最小限に留めるようにするのがいいそうです。人間、自分の理解していないものは覚えていられないので、やっぱり理解力を向上させるのが近道のようです。
これは通訳を目指す人だけではなくて、普通に英語学習をしている人の多くが実践していると思います。それぞれに特徴があります。
★ 知識を広げるために広範囲にわたる大量の読書をするのが多読
★ 個々の語の意味にとらわれず全体の内容をつかむのが速読
★ スラッシュリーディングのような精密な読みをするのが精読
★ 滑らかな発話能力をつけるための音読
★ 音声テープに合わせて朗読して、自然な速度感覚を養うパラ・リーディング
★ できる限り速く音読するクイック・リーディング